異端児、神山智洋
🕯幽霊はここにいる
目が何個あっても足りない舞台。
私たちは花であり、幽霊であり、無の存在。
演出はシンプルかつ古典的ながら、唯一無二のオリジナリティ。
まったく飽きることなく、3時間を終えました。
原作は安部公房の戯曲「幽霊はここにいる」。
「盲腸」で度肝を抜かれて以来、手を出したかったけど何から始めれば…となっていたので、めちゃくちゃいい機会でした。
卒論は全然先行研究見つけられないし「書けん泣」言うてるのに、オタ活の予習は爆速で終わらせる。
これだからオタクは、、、
そんなわけで事前知識はバッチリ。
だから割と好きなところを見ながら観劇できた。んだけれど!!!
けれど!!!
神山さんを見続けたいのは、そりゃあそうなんだけど、八嶋さんからも目を離したくなさすぎる!!!!
胡散臭さの中に憎めない愛らしさがチラつくもんだから、クズなのに嫌いになれなくて!
まあ、面白い面白い!
セリフなんだかアドリブなんだか分かったもんじゃないよ。
舞台のなにが好きって、その場で挑戦状を叩きつけ合う演者たちのタイマン合戦、その結果を、この目に生で刻めるところなんです。
その点でいったら八嶋さんと演者の方の絡みは、贅沢も贅沢。超嗜好的対話でした。
八嶋さん、アドリブ千本ノックしてるのかなって感じだったもんね。
すると、そんな八嶋さんと平然とキャッチボールしてる神山さんは、一体何者なんだという疑念も、ふつふつと湧いてくるわけです。
幽霊が見えるという役柄の神山さんの演技は、ナチュラルで、純朴で、キュートで、真っ直ぐで。
上手いなあと思いながら、謎の既視感。
この神山さん、どこかで見覚えが…ある。
絶対に…ある。
──────カメラで抜かれてないところでボケ倒す神山さんだ。
めちゃくちゃ細かくて、シュールで、丁寧に隠れてボケてる、"あの"神山さん。
YouTubeとか見てて「なにやってんねん!w」ってなる神山さんの隠れオモロムーブが、財産として存在してました。
これに気づくと平然とキャッチボールする異端児神山の謎が解けるわけです。
そう。シュールなことする神山さんは常時真顔なのです。
まさか日々の蓄積がPARCO劇場で輝くことになろうとは。
人生ってなにがあるかわかりませんね。
まあ、ここまで全部私の考察なので、全文末に「しらんけど」を補完し、「しらんのかい」とツッコミながらお読みいただけると幸いです。
ひとつ確実だった話をすると、神山さんの声と演技は舞台映えする。
これは間違いない。
どれだけ大音声で喚いても、不快にならずドキリとさせて、それでいて響く声。
これって舞台においてひどく魅力的で、大きな武器に思うからさ。
それを生まれながらに持つ神山さんって、やっぱり選ばれし者なんだなあ、と思うわけです。
珍しく低音域で歌う神山さんのお声が本当に素敵だったし心地よかったので、歌のおにいさん候補として関係者各位に推薦したい気持ちです。
たいそうのおにいさんもイケますけどどうですか??
うわあ、マジで楽しかったなあ。
自分に少しの才能を見いだせたら、演劇をやってみたいと思ってしまうくらいには楽しかったです。
私の人生の髄に限りなく近い位置を、エンターテインメントは陣取ったようです。
これからも白旗上げながら、願わくばWESTさんの創るエンターテインメントで、生かされていたいなあと思います。
次の投稿までにまたひとつ強くなれるよう、自分と向き合いたいね!!
うぉい!!!やるぞい!!!